生存者を探す方法、救出方法
瓦礫の下敷きになった人を捜索する場合は、まず救助が来たことを相手に教えてあげなければならない。大声で「助けに来たぞ」と呼びかけ、その後、少しの間耳をすまして、相手からの反応を待ちましょう。生き埋めになると体力の消耗が激しくなり、せいぜい1日か2日ぐらいで限界がきてしまう。聞き取れないぐらいの小声で救助を求めていることも予想されるので、小さな声や音を聞き漏らさないように、必ず地面や瓦礫に耳を付けて聞くようにしましょう。
また、声が出せない場合も考えられるので、「手や足、頭でもいいから、近くにあるものをたたけ」とアドバイスして、合図を送らせるのも有効である。生き埋めになった生存者を見つけた場合は、最初に声をかけて励ましてあげましょう。
「もうちょっとの我慢だ」「すぐに助け出すから」といった言葉が、生きる気力を生存者に与えます。それと共に医療斑や救急隊、重量物を撤去してくれる重機班などにも要請して、できる限り速やかに救出作業を行うことが大事です。
ジャッキをうまく使いこなす
瓦礫の下敷きになった人を救助しようと思っても、大きな柱や梁が邪魔して、なかなか作業が進められない。6、7人がかりで救助しようとしても、梁が持ち上がらない場合もあったという。救急隊や消防隊は、ジャッキや電動ノコといった重量物を撤去する道具を所有していたが、彼らが駆けつける前に火が迫ってきて、さらに作業は難航した。
しかし、落ち着いて考えれば、車に搭載されているジャッキを使っていれば、圧死・焼死した人のうち、即死者以外の多くの人を救助できた可能性がある。
乗用車用のジャッキは750kg程度の荷重だが、これをいくつか併用すれば、相当な重量の持ち上げが可能となるはずだ。だが不安定な場所にジャッキを置くと、ジャッキが途中で倒れる危険があるので注意が必要だ。ジャッキを据える場合には、土台となる厚板を水平な床面に敷いて設置しましょう。水平な床面がなければ、できるだけ厚くて頑丈な木材などを瓦礫の中から集めてきて、それで水平な面を作り、ジャッキをその上に置きましょう。
ジャッキを使用してものが上がり始めた場合は、角材などストッパーとなるものをできたすき間に差し込めば、さらに安全である。だから救助をする際は、ジャッキを上げる人と、ストッパーをすき間に入れる人、その下の様子を見る人など、3人は最低でも必要である。救出できたら、外傷があるかどうかをすぐに調べましょう。
また、救出後に心不全や急性腎不全を起こす全身障害のクラッシュ症候群にも用心しなければならない。初期症状は尿の量が減少し、色が茶色に変わる。原因は、負傷したり圧迫されたりした筋肉から出るカリウムやたん白質などが全身に急激に広がり、心臓や腎臓の機能を悪化させると考えられている。外傷や意識の有無には無関係である。
阪神淡路大震災の際に、このクラッシュ症候群は注目され、患者の明暗を左右するのは救出されてから治療開始までの時間とされている。災害医療の原則である早期発見・早期治療が、これほど適合する障害はないだろう。